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調香師から見た最近の空気感

2017年09月03日 UPDATE

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カテゴリー:ブログ

私たちの伝わる世界がどんどん希薄に、途切れたものになっているような気がしているのは、僕だけでしょうか。

 

希薄とは、実感がないものの連続や、虚しさなどとも繋がりますし、気持ちや愛情さえもどこか違う空間に漏れていっているようにも思います。

 

最近のレッスンでは、主に光というものをテーマしています。光は大切なもので闇こそ忌み嫌うものと、理屈の世界では信じられていますが、光の中にも良いものと良くないものがあるように思います。自然の太陽や星の光などは、生命にとって大切な役割があるようですが、最近のLEDを始め、人工的に作り出した光が良いとは言えるでしょうか。

 

私たちは、闇を恐れ、闇を支配しようと思っていますが、それが同時に不眠などの本来の生態リズムさえも壊すことにはならないでしょうか。

 

さらに、闇には様々な役割があります。香りの世界でも、引き立てるものと表に出ようとする強いメッセージ性を持つものがありますが、陰影があってこそ躍動する感情の世界が生まれます。

闇は、その中に目を凝らすと、今まで気づかなかった小さな可能性や光を見いだすことがあります。それは将来輝き出すものかもしれませんが、もしくは次の太陽のような役割を果たすものなのかもしれません。

 

太陽はやがて、沈み夜を迎えます。それと同じように、今まで希望を持っていたことが永遠に続くことは、人や社会の世界では稀なことなのかもしれません。出会いや別れ、成功したり、破産したりすることもあるかもしれません。

 

人の体も死と再生を繰り返しています。新しく作られてくる細胞もやがては光が必要になります。その光は、意識も関係しているように思います。意識の低さが、やがては不完全な細胞を作り出してしまうかもしれません。

 

闇こそが、次の世界につながる可能性の発見場所です。自分の心の中の闇を、訳もなく意味嫌う人は必ず、深い絶望を感じることがやってきます。我々の睡眠は、深い闇の中から小さな光を見つけ出す遊びのようなものかもしれません。

それこそが夢と言われる所以なのでしょう。

 

アルテマステラのテーマは、まさにこの星がテーマです。カウンセリングでも、無理に元気にさせようとせずに、次の大きな光につながる小さな光を闇の中から見つけ出します。

 

深い呼吸や深いリラックスが、何も無いと諦めていた世界から希望を見出します。

 

今ある光も大切ですが、次につながる光を見出せない人は、大きな不安や恐れを抱くことになると思います。

 

 

 

 

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